未来のロボが現代のロボで
https://note.com/msyaan/n/nb0901e03a9cc
『名前…、ご主人様はロボと呼んでいました。』
ルッカ『ロボか…。安直だけど悪くないわね。
マール『ご主人様ってどんな人だったの?
ロボ『どんな…。思い出す事ができません。
マール『なんにも?
ロボが思い出そうとして熱を帯びる。
ルッカ『きっと長い間放置されていてメモリーが消えたのね…。ねえ、ロボ。ちょっと聞きたいんだけど・・
このドームについて聞いたルッカ
ロボ「コレは・・・どうしたのデショウ?このプロメテドームには多くの人間やワタシの仲間がいたはずデスガ・・・」
ルッカ「言いにくいんだけど・・・ロボ、あなたが倒れている間にここの人達は多分・・・」
ロボ「ソウデスカ・・・ではアナタ方はなぜココに?」
ルッカ「…信じられないかもだけど実は私達、300年前の時代から時を越えてやってきたの。ゲートという時空の歪みを通ってここに来ちゃったのだけど、調べたらこの場所にもゲートがあると判明して…そしたら、あなたが倒れてたってわけよ」
ロボ『時を越えるゲート…。それはもしかしてこの扉の先にあるゲートのことでしょうか…。
ルッカ『やっぱりあるのね!そう!私達はゲートを越えてやっきてたの』
ロボ『ゲート…。時を越える…
ロボが失った記憶を復元しようと熱を帯びる。
ロボ『…少し過去の事を思い出しました。ワタシはこの施設を保護するセキュリティロボットとして作られました。ゲートを越えて時を変えようとする者を排除する目的が与えられていたヨウデス、デスが…
ルッカ『そのプログラムは私が解除しておいたわ。AIのモデリングソースが300年前の物と似ていたから思ったより簡単だったわ。それにしても…』
ルッカはこの時代へ来たときのドームを思い出していた。まるでゲートが施設の中心になるように造られていたドーム構造。そこはゲート研究所だったのかもしれないと思っていたが、ここのようにセキュリティロボットのような敵は配置されていなかった。恐らく、最初のドームはラヴォスによって人類がいなくなってから後に作られたのかもしれない。タイムゲートを利用しようとする敵(人)がいなくなり、セキュリティシステムを配備する必要がなくなった。対して今いるこのドームは敵からタイムゲートを守る為に作られた設備であり、ラヴォス日以前から存在していた可能性がある。
ルッカ『結局このドームはいつ頃作られたのかしら?
ロボ『私のタイムメーターは2019年から始まっています。きっとそれ以前からこの施設はあったようです。』
『え? それってどういう…』
ルッカは驚愕していた。自分達がいた現代は西暦2022年。その頃から既にロボが存在していた事になる。しかし冷静に考えてみればロボのプログラムを自分の手で書き換えれた。システムの原型が現代のものだっから解読できた訳で
2015年、当時11歳のルッカはAIのロボットを開発した。同時並列思考型のAIで予測不能な動きをする為に実用性のない子供の玩具でしかなかったが、ルッカの親はその玩具の独創性に着目し、特許を申請していた。コードは全世界に公開された状態であり、ロボはそのコードを参考にして現代人が生み出した。そうルッカは推理した。
ロボがゲートを守る為に作られたのだとしたら、現代の時点で既にルッカよりも早くにゲートを開閉する装置が作られていた事になる。
にわかには信じられない現実が続けに突きつけられる。ラヴォスによって現代が滅ぶが、自分達はそのタイミングで偶然、ゲートを越えてラヴォスの被害から免れた状態だった。
ラヴォスによる災害が起きる前の時代(唯一の中世)へと向かい、未来への対応をするしかないと思っていた矢先、未来人もゲートを使い歴史に介入していた可能性があった。
ラヴォスの情報が過去に持ち込まれていたのだとすれば現代でも対応可能かもしれず、でも現代が助からなかったのだから意図的にラヴォスの情報は隠蔽されていた事にもなる。
ゲートを越えてラヴォスの災害から避難する事が可能だろうから、もしかしたら歴史に影響を与えない程度に一部の未来人は別の時代に避難しているのかもしれない。
マール「けどドアが動かなくって、こっから先に行けないの」
ロボ「ココの電源は完全に死んでしまっているようデスネ。北にある工場に行けば、ここに連動する非常電源がありマス。ワタシなら工場のセキュリティを解除出来マス。修理して下さったのデス。今度はワタシがお役に立ちマショウ」
(メモリが消えるんであればバッテリーも壊れてるはず。この問題をどのように解決するのか?)
稼働している工場等、割りと最近の事は覚えていたロボ。施設の電源が落ちてからはそれ程時間は建っていなくてロボのバッテリーは壊れていなかった。回路が断線して機能停止いた分、、バッテリーの残量は残っていた。