○クロノを尾行し、教会の壁に張り付くカエル

○逃亡中のクロノは現代の格好をしていた為、目立ちやすい。

民家から服を盗み、一目を避けて路地裏を進んでいた。雑木林を抜け、狭い階段を登った高台にて教会をみつけた。礼拝中にて祈りを捧げる人2名。走り疲れたクロノは人々に紛れ込むようして椅子に座った。

息を整えるクロノ。マールが消失し、この先どうすればいいのか考えていると、視界が暗くなる。
周囲の人間に囲まれ、その影で暗くなっていた。人々は教会の扉を閉めはじめ、クロノは何事かと思い周囲をキョロキョロすると視界が真っ暗になる。

人々はクロノに麻袋を被せて視界を奪うと、叫べないように猿ぐつわをして奥部屋に連れ込んでいく。
クロノは監禁され、拷問されようとしていた。
教会の人々の正体は人間に擬態した魔族であり、その役割は人を誘拐し情報を聞き出し、聞き出した情報を元にその人間に成り済ます事だった。ガルディア転覆に利用できそうな人間であれば成り済ましに利用され、そうでなければ食糧にされる。

 

○クロノを尾行し、教会の壁に張り付くカエル

一階の屋根付近まで登り、通風戸口の隙間から中の様子を覗いていたカエル。 
誘拐犯人たと思って尾行していた相手が誘拐されているような光景に戸惑っていたカエル。とにかく怪しい教会。もしリーネがいるのであれば人質にされ行動が制限される可能性がある。仲間を呼びに戻るよりも隠密に動ける一人での潜入の方がいいと判断する。


二階の窓まで上って中を覗く。柱にロープで縛られた兵士が二人とシスターが4人いる。入り込みロープを緩める。リーネが囚われているとの情報を得る。兵士達は大声をだせないよう喉を潰されていて手話でその合図をした。
カエルは窓からでて、壁をへばりき、他の部屋を確認する。大臣とリーネが縛られている姿を目撃する。
進入し、リーネの縄をほどくと、抱き抱え二階から外に飛び降りようとする。
その頃、外を定時巡回していたコウモリがカエルの存在に気付いて、魔族に知らせる。察知した魔族達は教会を撤収しはじめた。
リーネを尋問して王族に成り代わっていく計画。王家を乗っ取る準備中だった魔族達。王族達に擬態する魔法は既に完成していて、教会を放棄してもいつでも計画を再実行する事ができた。
魔族達はカエルと真っ向から戦っても勝てる見込みがなかった。
カエルは身長の10倍を飛べるが、ガルディア兵士である人間サイズのカエルも同様に10倍を飛べる。いわば移動する為の一歩ですら人間の10倍程の力があり、時速100km以上で動ける。その動きとパワーに対応できる魔族はそうそういなかった。ヤクラを除いては

ヤクラはゴキブリ様生物としてカエルよりも早く動けた。表皮もゴキブリの様に硬く防御力が高い。

王宮にいたヤクラにもコウモリからの報告が届く。林の中でカエルを待ち伏せる。

魔力の高いヤクラにとってリーネはいつでも誘拐できる存在だった。ゴキブリよように城の壁に上り、バルコニーから進入できる。リーネを咥えるなり、あるいは空飛ぶ魔族に変身してリーネを抱えて逃げることもできる。

いつでもリーネを殺せる。それよりも生かして王家を侵食する方が得策だと感じていた。

ヤクラはカエルに負ける気はせず、林の中を縦横無尽に走り回ってカエルに突撃した。

カエルは苦戦を強いられていたが、ヤクラも攻撃の決め手に欠けていた。

ヤクラは体内からドリル状のもの生み出して発射できる。ヤクラの背から生み出されたドリルは空間を縦横無尽に動きつつターゲットを追尾できる。ヤクラはこのドリルを無意識に操れる。

その仕組みだが、ヤクラは触れた相手のDNAを無意識に覚え、その遺伝子にあるミトコンドリアが特有に発するエネルギーを感知して敵の居場所を知る。

 

直進するドリルが進行方向を変えられるのはミサイルが方向転換する仕組みに似ている。ミサイルの様に独立したエンジンや燃料機関の構造を持ち、遠隔で方向操作する仕組みをヤクラは細胞レベルで生み出している。

 

ヤクラの背中から5つのドリルが生み出され カエルに突撃する。。カエルは追跡してくるドリルと突撃してくるヤクラを同時にあいてしなければならず、防戦一方になる。

ヤクラは限度がないのかの様にマシンガンのごとく、次々とドリルを生み出して
カエルに飛ばした。

ヤクラのドリル生成力はとてつつもなく高かった。無尽蔵に尽きる事なく生成されるドリルのエネルギーについて、実はその元は地中に眠るラヴォスからであり、ヤクラはラヴォスから無意識にエネルギーを調達している生き物だった。

カエルは飛んでくるドリルを剣で弾くのが精一杯だった。

そこに兵士の応援が駆けつける。
街中にある林での戦い。近隣住民に通報され、火縄銃を持った部隊が駆けつけ、ヤクラを包囲した。
火縄銃は最新型の兵器でありフランスから輸入されたばかりのものだった。
ヤクラは諦め時を察して、撤退していく。

その頃、クロノは放棄された教会にて兵士らに縄をほどかれていた。
持っていた無線機にルッカからの呼び掛けが入る。
ルッカはマールを山中にて保護したという。「クロノ!あんた一体どこにいるのよ!」
と説教され、いそぎ山へと走る。

 

 

ルッカの視点~