だが一歩届かず、掴んだのはマールが捨てようとしたペンダントだった

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会場入口、人々の行列の横を抜けていくクロノ。関係者証を提示し、金属探知のボディチェックを受け、所持品をカウンターに預ける。航空の手荷物検査のようなセキュリティを抜けていくと中央にルッカのブースがある。
「やっと来たわね。開演ぎりぎりでさっそく準備に取り掛かって貰いたいのだけど…。」
言葉を渋っていたルッカ
「悪いのだけどクロノ、試作機の小型サンプルを私の家まで行って取ってきてくれないかしら? 懇意にしている記者が本体プレゼン前にどうしても取材させて欲しいって煩いのよ…。お願いクロノ! バイト代はずむからさ~」

ルッカの父親タバンは別のブースを管理していて頼めない状況だった。母親は新型義足のブライダルショーに出演準備に忙しく
同じく頼める状況ではなかった。

開演まで残り15分、クロノはルッカ宅に急いで走った。。
ルッカ宅は登録された友人の指紋と網膜を認証して入場させる。
セキュリティはいくつかの段階に別れ、クロノが家に入った情報は即座にルッカスマホへと送られる。もしそれがクロノでない場合、ルッカの指示の元セキュリティロボが起動する仕掛けになっている。

一人暮らしとは思えない大きな家(ラボ)にてクロノはサンプル機を手に入れると急いで会場へ戻った。ドームの入口で再び関係者証を提示し、手荷物の検査を受ける。品物を受けとる頃には汗が目に入り視界がぼやける。階段を登りリーネの鐘の前を通る頃、少女とぶつかりそうになる。避けようとした勢いでサンプル機を落としそうになるクロノはそれを守ろうしてバランスを崩し盛大に転げてしまう。

少女は心配そうに声を掛けた。
「あの~、大丈夫ですか…
 ゴメンなさい、私、急いでて前をよく観ていていなくて、どこかケガとかありませんか?」

クロノは立ち上がると自分こそ悪いのたと言わんばかりに頭を下げた。
ケガもなく心配する必要なんていないよと、少女に謝罪をしたクロノはルッカのブースへと向かった。
人にぶつからないように小走りで向かうクロノ、何故か少女もついてくる。

よく観ると少女には関係者証のネームプレートが無かった。
この先にのどこかのブース関係者だろうと思ってたクロノは疑問に思い聞いた。

「実は私、働くところを探しているんです」

千年祭への出店、及び関係者は厳正なる審査の元で選ばれる。たしかに祭り開催中であっても各ブースでは適時求人の可能性あるものの、当日会場での仕事探しというのはなんとも不思議というか空気が読めてない。開演寸前とはいえ、未だ関係者しか入れない会場に証明プレートもなしに入場しているのは不法進入者くらいしか思い付かない。マニュアルに沿えば少女を委員会へ通報する義務があったが、急いでいたクロノはこの問題を放置した。

少女はクロノに並走するようにルッカのブースへと来ていた。いつの間にか少女は眼鏡をかけていた。形は丸型で少女は発明家ルッカのファンであることが想定された。

「クロノ、その隣にいる子はだれ?」
 
「あ、私、実は貴方のファンで、いつもテレビで観て応援してます!」

「そう、ありがとう。その眼鏡、良く似合っているわ」

少女は眼鏡をくいっと上げて喜んだ。

「でも観たところ、関係者ではなさそうね…。」

ルッカは少女の顔をまじまじと見つめた。少女の顔に見覚えがあるようなないような。

「実は私、仕事を探しているんです。」

「仕事? それまたどうして?」

「ちょっと自立してみようかと思いまして…。

「なるほど、それはいい考えね。

「でもキャンディ屋さんやスイーツ屋さんの面接では落とされてしまいまいして…」
」 

「ちょっと履歴書見せて貰えるかしら」

少女はバックから履歴書を取り出した。

「なるほど、マール・アレクシスというのね…16歳…」

少女は切実そうな顔をしていた。迷子の子猫のような

「マールさん、良かったらウチで働いてみる?

「え?」

「発明の実験に付き合ってくれればそれなりの報酬は払うわ」

「いいんですか!」

マールは大喜びだった。

「元々この装置、最初にクロノが実演して魅せる予定だったのだけど、実は両サイドで同時に瞬間移動の物質交換ができるの。一人でやるより二人でやる方が花がありそうだし…良かったらやってみる?」

マールは好奇心旺盛だった。

「開演3分前ね…。リハーサルを兼ねて、一回やって貰うけどいい?」

「はい」

「じゃあ、マールはあっち側に座って。瞬間移動が成功したら喜びのポーズでもしてくれたら尚良しよ。」

クロノとマールが座席に着席するとルッカが起動装置をオンにする。取材記者が数人がその光景をカメラで追っている。

5m離れた装置から2人の交換が起こる予定だっが、マールが装着していたペンダントが異常反応し、周囲からプラズマが発生しはじめる。緊急事態に気付いたルッカは直ぐに装置の電源をオフにするもの装置は起動しつづけ唸りをあげる。
「クロノ!」
叫んだルッカ。異常事態に気付いたクロノはマールの元に駆け寄り、座席から降りる様に指示した。

恐怖したマールは座席から降りようとするがプラズマがバリアのように邪魔をして降りられない。マールはペンダントが怖くなり、外した瞬間、マールは中央に移動する。
同時に空間が歪み渦が生まれ、マールはその渦に呑み込まれようとしていた。
何が起きているか判らなかったクロノだったが、咄嗟に中央へ飛んで、マールの腕を掴んだ。だが一歩届かず、掴んだのはマールが捨てようとしたペンダントだった。

開演2分前、

 

※以下細かくてちょい微妙。クロノは一緒にゲートに落ちるかしないと


開演2分前、

ルッカは呆然自失だった。しかし単なる事故でない事は判った。空間の歪に吸い込まれるという奇怪な現象、ペンダントの異常反応。
「このペンダントがさっきの事故の原因…」

ルッカは呟くと機器が記録していたデータを分析しはじめる。

「やっぱり原因はあれでだったら…」

ルッカはペンダントにロープ結んで再現実験を始めた。ペンダントがゲートに吸い込まれないようにし、ドローンをゲートへと投入。一度ゲートを閉じ、再びゲートを開けた状態でドローンが帰って来れるのかの実験する。

ドローンは無事に帰還した。

装置は故障の原因となる電磁波をデータを収集している。機器に異常が起こりそうな電磁波が発生したとき、同じ電磁波形を生み出して、波を相殺して機器の故障を防ぐシステムになっている。
ペンダントが装置と反応するとき、特徴的な電磁波形が記録されていて、その波形を電磁波発生装置を使って生み出すと、ペンダントが無くてもゲートを開閉可能になる。

 


クロノの瞬間移動が成功した。マールは装着のちょうど真ん中に移動していた。

 

ようとするものの、身体の一部のように離れない座席から降りようとするものの、
クロノ

ルッカは【自称天才美少女発明家】というスタンスの元、発明活動をしていて世界中にファンがついていた。

少女もルッカのファンとして、プレートを


だったが、バイト

「実は私、働くところを探しているんでふ。」

 

 


サンプルとはいえルッカが頑張って作っていた姿を観ていたクロノ。自分の不注意で壊したとなればそれを絶対に