現代帰還後、マールとルッカの会話

マール「…え? なにこれ? 私の家出、もう終わっちゃうの…」

帰還したクロノ達。マールは恥ずかしそうにしていた。
「ごめんなさい。私いろいろ黙ってて…。クロノさんとルッカさん、今日はお騒がせしました…

ルッカ「いえいえ、こちらこそ、お騒がせしたようだし…。色々と怖かったでしょう」

マール「でもスリルあって楽しかったですよ? でも、あのエイリアンみたいな化物は、なんだったんだろう…。時代劇みたいな昔の世界だったし…。私は消えてたみたいだし…あの世界は一体何なんでょうか…」

ルッカ「その事なんだけど、ゲートの先ので見た世界についてはしばらく公にしないで欲しいの。」

マール「それは構いませんが…。」

ルッカ「理由についてよね? これはあくまで仮説なのだけど、あの世界は過去の時代へと繋がっていると思うの。マールディア様が消えたのも多分、過去に起きた誘拐事件が原因かもしれなくて…」

マール「リーネという人が誘拐されたという話でしたよね? 」

ルッカ「ええ、恐らくマールディア様の先祖であるリーネ様が殺されるような自体になって、その子孫であるマールディア様が…」

マール「あの、私の事はこれまでどおりマールと呼んで貰ってもいいですか?」

ルッカ「え?、いいのですか?

マール「はい、呼び捨てでお願いします。

ルッカ「あ、は、はい、では! 」

マール「あ。あの、緊張なさらないでください。私もルッカさん発明のファンですし、緊張していんです。」

ルッカ「そ、そうでしたわねー!元々私のファンの1人でしたわね。では、まーる、私のこともルッカと呼び捨てにしてくださいまし」  

マール「はい! るっか!」

ルッカ「では説明しましょうマール。貴方は下山途中で兵士に絡まれてしまいリーネと誤解されてしまった。この状況でもしリーネの捜索がトルース北東部に集中してしまったら、助かる筈だったリーネの捜索に不備が生じてリーネが死んでしまう世界が作られてしまう。それによってマールは消滅した。ここまでいい?」

マール「ええ、でも実際は私が消えた時点ではリーネは生きていたんですよね…」

「そうらしいわ。で、問題はここからよね。クロノから聞いた話だとマールが消えた直後にクロノは兵士に魔族だと誤解されてしまい指名手配されてしまったようなの。追っ手から逃げて偶然たどり着いた修道院にリーネが監禁されていたようなのね。で、そこでクロノは偶然にも修道女に擬態していた魔族に襲われたらしいのだけど、たまたまクロノを尾行していたカエル兵士がその魔族をやっつけた。修道院が怪しいと思ったカエルがリーネを救出するのだけど、この時点でリーネの生存は確定しているといえるわよね?」

マール「つまり…、私が消えてクロノがお尋ね者になったから、私の先祖が助かったもいうこと?」

ルッカ「そう!でも消えたという事実はリーネが死んだ未来が一度は確定したという事を示しているの。


マール「でも私が存在しなくなったらルッカやクロノは私と出会った記憶がそもそもなくなるんじゃ…」

ルッカ量子力学の観点からいえばそうなるとは言いきれないわ。重ね合わせの理論のようにAとBの異なる結果が同時に混在できるのであればね。」

マール「なるほど…なのかなぁ…」

ルッカ「確かに偶然が過ぎてるような気もするわ。クロノが指名手配されて魔族に襲われて、それをカエル兵士に偶然発見され、いくつもの偶然が重なっているのよ。まるで誰かが意図的マールを消したかのような…」

護衛「マール様、立ち話もなんですし、邸宅に招待されてはいかがですか? 身元のはっきりした方ですし、」

 

B

突然の地響き。
ラヴォスが噴出して光を放つ。
核兵器による戦争が始まったのかと思ったルッカ
周辺にいる人間を引き連れてゲートの中に避難した。
もし核戦争であればしばらく放射能に汚染される恐れがある。
戻るタイミングが判らず、しばらく中世の世界に滞在することに。

 

 

A

突然の地響き。
ラヴォスが噴出して光を放つ。

マール「え? 」

ルッカ「なんかヤバイことが起きている。」
 
護衛「どこかに逃げましょう!」

爆発と爆風がいたる方向からきて、緊急性を感じたその場にいた人々はゲートに逃げ込む。

ルッカ「一体何が起きたの? まさか核兵器がガルディアに打ち込まれたの?

マール「多分違う。あの感じはきっと…」
 
ルッカ「何か知っているの?」

マール「知っているというよりは、見てきたというか…」

ルッカ「見てきた?」

マール「実は私が消えてた時間なのだけど、私は未来のルッカとクロノに出会っていたの。」

ルッカ「えーと、それは一体どういう事なので…」

マール「未来のルッカがいるのだけど、その世界ではリーネが助からなくて私が生まれなくなった世界があったの。でもクロノとルッカには私の記憶があって…。ルッカは存在が消えた私を助ける為に時を戻してリーネが助かる歴史を作ろうとしたの。それで…

ルッカ「ちょっと待てマール。つまりマールが消失したのはマールの存在が消えたというより、未来からマールが回収されたという事? 」

マール「そういう事らしいです…」

ルッカ「じゃあ、マールが帰されたのは?」

マール「私が未来に移動したとたん、リーネさんが死なない世界が作られたみたいなのだけど、その世界では消えなかった私が存在していて、」