ビル・ゲイツの娘、マールディア・ゲイツルッカのファンでもあり彼女を真似て普段から丸眼鏡(スマートグラス)を着用している。マイクロソフト設立50周年を記念して祭典が…。 


午前7時ちょうどプルーインパルスがガルディアの西海岸からガルディア城上空に突き抜け、市街から千年祭会場を横切る。大きな騒音に驚きベットから転げるクロノ

クロノは寝不足だった。連日ルッカの発明品を手伝い、昨日はゴンザレスのバランス調整とルッカのプレゼンスピーチにと徹夜続きだった

幼なじみが世紀の発明をした。その件でどのみち興奮して眠れなかっただろう。建国千年の祭りに合わせてのサプライズになるはずで、きっとルッカ発明はテレビやマスコミの取材が殺到するに違いない。ルッカが調子にのるのは仕方ないとしても友人として自身もインタビューを受けるだろうからと、鏡で身だしなみをチェックするクロノ

その傍らでジナも身だしなみをチェックしていた。彼女もルッカを会場で応援する為に準備をしていた。
二人は車に乗り込んで会場へ向かうつもりだったが、テレビから渋滞のニュースが飛び込んでくる。
徒歩で10分程度あり、クロノはジナを置いて先に出るという。

西暦2025年、ガルディア建国1000年、長い歴史を持つ国であるものの先進国の中ではあまり目立たない国である。人口約200万で目立つ観光スポットもなければ特産品もないが資源は豊富にあり自立した国である。昨今の不安な世界情勢、環境問題諸々、今だからこそ何かできないかと思案したガルディアは建国千年を口実にの祭典を開いた。

祭典のテーマは『夢』
主に技術振興を目的とし、世界の基礎的研究を一同に集めて夢を披露する。堅苦しい祭典にならないよう娯楽や飲食に関するブースも数多く出店される。

世界各国(160)から営利非営利問わず凡そ1000のブースが、収用人数50万規模のドームにて公開去れる。


当日、人々が最も注目しているのはテレポート装置を開発したとの噂が流れていたルッカアシュティアのブースだった。ルッカは大学生でありながらAIに関する技術特許を複数所有する個人発明家である。また機械工学にも詳しく、商業用カラオケロボや軍事兵器に転用できそうなロボを開発したりと、政府や企業が一目置いている。ファンが数万人規模でいて、当日の会場はルッカのファンでごったがえしている。

ルッカは有名人であり、ボディガートが必要とされた。千年祭委員会はルッカのブース周辺に警備員を30人配備し、観客がブースに雪崩れ込まない様に非常線をはっていた。

ルッカはテレポート装置のテスト段階から、マスコミのインタビューを受けていて、その装置の完成度報道されていた。当日はルッカ特集の番組も放送され、リアルタイムに公開実験映像が流される。ガルディア人の殆どはチャンネルをルッカに合わせていた。

朝7時、ブルーインパルスが上空を駆け巡り、ガルディア文字が浮かび上がる。風船が上がり、セレモニーや開会式が披露される。セレモニーが終わるとガルディア陛下の挨拶があり、8時丁度に千年祭は開催された。

その日、マールは王族として父の公務に同席していたが祝辞の最中に席を抜けだし、護衛の監視目をふりきった。マールは王族の立場から逃げようとしていた。

王家のしがらみに不満があったマール。
常に護衛をつけられ監視され何事もスケジュールを管理される。外出には申請書類が必要でその都度審査に時間が奪われる。一般人みたく外出したいと思った時、直ぐに外出できない生活。別にそれらに嫌気がさしたという訳ではない。むしろそれらは生まれながらの習慣として当たり前のものであった。不便はあってもマールにとっては些細な問題であり

マールは一般人の生活スタイルに無性に憧れていた。庶民を体験する機会に恵まれなかったマールはテレビや漫画、アニメが発信する一般人像(主人公)に魅せられ、強い影響を受けていた。

マールは自宅に置き手紙をしていた。一人立ちすると明記され、『仕事が決まって生活が安定したら連絡するから安心してね。』との一文を添えていた。

マールは髪型をポニーテールにして変装しつつ正装服を脱ぎ捨てる。そして憧れのルッカを真似て丸眼鏡をかけた。自由になるオカネを持たされていなかったマールは出店企業の中から当日バイトの面接を受けるつもりで走っていた。マールはキャンディー屋さんや、スイーツ屋さんで働きたかったのでそのブースへと走った。

7時45分、セレモニーが終わり、ガルディア王は演説の最中だった。その隙にマールはキャンディー屋さんで面接を持ち掛けるものの撃沈。履歴書を握りしめて心機一転。別のスイーツ店に走っているところでクロノとぶつかった。

クロノはルッカのブースにて実験をサポートする予定だった。寝坊した訳ではない。クロノはルッカの家からテレポート装置のミニチュアを取りに戻っていた。大型装置を作る為の模擬機として小型のサイズを作っていたルッカだが記者からそれを見せて欲しいと頼まれていてクロノは走っていた。

クロノはぶつかったマールに謝ると急いでルッカの元にかけていった。 千年祭会場は開演したばかりで、まだリーネの鐘の前に人はいなかった。とにかく目立つ場所であり、マール自身この場にいては見つかるリスクが高いと思い、クロノと並走しながら走った。

遠目から見ればマールは出店する関係者の仲間に見えなくもない。クロノに紛れてマールはルッカのブースへと向かった。
マールにとってはルッカを間近で観察できる丁度いいタイミングでもあった。開演と同時刻でもあり、まだルッカのファンではごった返していない。最前列でルッカの発明品ショーが観られる。

程なくしてルッカのファンでごったがえしたブース。マールはファンの人混み紛れて完全なるカムフラージュが成功する。


8時10分ルッカのスピーチがはじまる。
『私がテレポート装置の開発に着手したのは4年前、14歳の頃になります。中学の授業で万有引力の話を聞いた瞬間に閃いたのです。引力とは反対の反物質がもし世界のバランスを保つ為に引力数と同じだけ存在するのならば、それは何処にあるのだろうかと。例えば光や波は重力の影響を受けるもののほぼ直進していきます。が、そもそもなぜ直進していくのでしょうか。万有引力の法則を当てはめるのであれば光や波にこそに反物質が含まれているのではないかと私は着目しました。  』
 
『ですが現状の技術では光や波から反物質を観測することはできません。よって私は素粒子物理学の観点の外、量子力学からアプローチしました。要するに宇宙の外側がもしあるなら、その対極的に位置する宇宙の中にも更に宇宙の内側があるものと仮定しました。
テレポートの仕組みは宇宙の内側に入って更その内側に入るようなものです。内側の内側は表側であり出口にもなりますから。 

このテレポート装置は物質が内側に入っている間にプラズマ粒子でくるんで電気として飛ばすようなとのだと思って良いでしょう。 要するに電気の速度で動くようなもので、厳密にはテレポート現象ではないのです。しかし内側の世界は電気の動きを妨げるものが存在しないと思って良いでしょう。要するに電気といえど光を越えた速度に加速していくのです。その為出口となる場所においては光を越えた速度で空間と衝突してしまう問題がありました。私はこの衝突問題を解決する研究に殆んどを費やしてきました。つまり完全真空状態を作れば、その空間は衝突する物質がなく光を越える速度で突入にしても安全が担保され…

 

 

要するに大きなエネルギーで宇宙の内側に穴を開けて、その

 


ジナ「まあまあ、色気づっいちゃって…。千年祭だからてナンパデビュー勘違いそうそう、あの、おさななじみの発明好きな子……
 アラ、ドわすれしちゃったわ。なんていったっけ、あの子?
 そう、ルッカ! ルッカの発明、見に行くんでしょ?
 あんまり、おそくならないようにね。さ、行ってらっしゃい。