林の中で無線が繋がったとき
「大丈夫クロノ?」
「私は大丈夫。ところでこの世界なんなの? 見た目は昔のガルディアみたいだけも頭が割けた化物がいるし!」
ルッカは捲し立てるように話し掛けた。
盗んだ服の中に入っていたコインから凡そ400年前だと答えるクロノ
「400年前といえば30年戦争の時代だったわよね。」
クロノは歴史にうとかった。
「神聖ローマ帝国のプロテスタントの反乱をきっかけに始まった宗教戦争が、ヨーロッパ中を巻き込む国際戦争へと発展した時代よ。たしかガルディアでも多くの犠牲者がいたとかなんとか…。て、それよりも王女様はどうしてる?」
何の事かさっぱりだったクロノ。
「一緒に空間の渦に飲み込まれた女の子のことよ。実はあの子、王族だったのよ! 今会場は彼女のSPやらが占拠しててパニックしてて、とにかく戻れる装置を作ったから早く戻ってきなさい!」
「え? 山を降りる途中で消えたって? 」
「眩い光とともに消えたって? しかもその現場にいあわせた兵士らしき人にクロノが魔族たと思われ、魔法で王妃様を隠して誘拐したと誤解されて、攻撃されて逃げて来たって? 追われてて元来た道に帰れそうにないって…。意味判んないわよクロノー!」
クロノ自身にも意味が判らなかった。
「…一体今何処なのクロノ! 」
「林の中…。直ぐそばに教会…? 多分のマノリア修道院の事ね…。その周囲の林の中にいるの?」
クロノはうなずく
「直ぐに私も向かうから、とにかくそこで待ってて!」
ルッカは千年祭用にスーツを着ていた。この世界の文化背景に合わず目立ち過ぎる。
※「そこで待ってて!」だと教会には入れない。 https://xpyaan.hatenadiary.jp/entry/2023/01/03/142402
「そこで何をしているの?」と修道女に訪ねられる。
「そう…人を待っているの…」
「良かったらお祈りしながら待っていたらどうですか?」
遠目から林の中を捜索する兵士の姿が見える。ルッカとの待ち合わせをしていたクロノは遠くへ逃げる訳にもいかず、かといって修道院に隠れる事もリスクが高いように思えた。
悩んでいると、修道女は独り言を呟いた。それは独り言等ではなく、人間に擬態していた魔法を解除する為に作られた短縮コードである。
修道女はその正体表した。下半身が蛇で上半身は人間の魔族が姿を表す。上半身は1メートル程度であるが、その魔族が口を開けると一口でクロノの頭を呑み込んだ。
鋭い牙を持ち一口で人間の首を食いちぎる事ができたこの魔族は、クロノを3時のおやつ、つまみ食いするような感覚で食らいついた。
魔族、魔法の存在について現代人であるクロノは知らない。現代では魔族が存在した歴史は公式には認められておらず、せいぜいフィクションの世界での出来事でしかない。
しかし、この世界において魔族は存在する。訳あって400年後の未来では、魔族や魔法は存在しない事になっているがクロノがいるこの400年前の時点では魔族は存在している。
○ここでカエルがクロノを助けるとしたら、
「危ないところだったな…。本来なら命の恩人に礼を言うべきだが…」
「お前が手配されていた赤髪の男なんだよな…。王妃様をどこに隠した? 言わないと、この魔族のように首が飛ぶ羽目になるぞ。」
クロノは何も知らなかった。魔族についても何もかも知らなかった。
「何? 魔族が何か判らないだと? 本気で言っているのか?」
「その怯えよう。演技とも思えんな…。まさかキサマ私の事も魔族だと思って…」
剣を収めたカエル。
「一体どういう事か説明して貰おうか…」
かくかくしかじか
「なるほど。つまりキサマは400年後の未来から…」
信じる事ができないという顔をするカエル
クロノは無線機やスマホを見せた。
「さっきやけに大きな独り言をしていると思ったら、まさかこの装置へ話し掛けていたとは…」
「この機械の先にいるルッカという者と会話が通じているのか? ならばそのルッカが到着するまでしばし待つとしよう」
「それにしても…この修道院は怪しいな。王妃様が囚われているとするならここか…」
カエルは小さく呟くと、修道院の壁を昇り、2階の窓から侵入した。
ルッカ「もうすぐ到着するから待ってて…」
耳をカエル
から知り合いと共にやってきて王妃様にみ間違えられた後、消えたのだな。」
悩んでいると、修道女は衣を脱いだ。
修道女は下半身が蛇で上半身は女の手に
林で薪を集めていた修道女。?
マスコミもろとも飲み込まれる